2012年12月28日金曜日

キャノン=バード説 Cannon-Bard theory



概略

 情動体験のメカニズムに関する古典的理論のうちの一つ。
 恐れや怒りなどの情動を引き起こす刺激は、感覚器から視床を経由して大脳皮質に達し、ここで選択された刺激が視床の抑制を解除する。さらに、視床は大脳皮質に信号を発して恐れなどの情動を体験させ、
同時に内蔵にも信号を出して心臓の鼓動の高まりなどの生理反応を引き起こすという過程が考えられている。
情動体験による中枢の機能を重視するための中枢起源説とよばれることもある。

 同一の自律的反応でも異なった常道が生じること、また情動における視床下部の重要性が指摘されるようになり、
20世紀末にキャノン(Cannon,1927)とバード(Bard,1928)はそれぞれ、情動の視床下部起源説を唱えるようになった。


 この説はジェームズ・ランゲ説と対比されて提唱された。
キャノンは動物実験によって、内臓を中枢神経から切り離しても情動反応が見られることを示し、内蔵反応は情動体験に必ずしも必要ないと結論づけた。
そして、情動を引き起こす刺激は、まず大脳の視床で処理され、その後大脳皮質へ送られたものが情動体験となり、視床下部へ送られたものが生理的変化をもたらすと主張した。



考え方の例
 泣くから悲しいのではなく、悲しいから泣くのだ

 *情動体験が先行し、生理反応を引き起こす。

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