2012年12月9日日曜日

構造論


 

心を自我、イド、超自我という3層からなるモデル(心的装置)として捉える。

各層の相互作用が精神現象を作り出す。

 

イド・エス(id,Es)

 精神分析学の概念で、本能的性欲動の源泉。S.フロイトは人間の心の構造をイド、自我、超自我の3層からなる心的装置(Psychic apparatus)にみたてたが(構造論)、イドは不快を避け快を求める快楽特徴を持つ。そしてイドの働きは、一次過程と呼ばれる非論理的で非現実的な思考や、不道徳で衝撃的な行動をもたらす。

無意識領域で原始的欲求や本能的欲求として渦巻き、快楽を追求して不快を避ける『快楽原則』に従う性質を持つ。

 

自我(EgoIch)

 認知、感情、行動などの精神諸機能を統制・統合する心的機関を意味する仮説構成概念。主に精神分析学派によって用いられるが、その意味するところは各学者によって若干異なる。最初S.フロイトは無意識を統制する「意識」という意味で自我を用いていたが、後にイド、超自我、外界の要求から生じる精神力動的な葛藤を現実原則に従って調整する機関として自我を定義した。ハルトマン(Hartmann,H.)は健康者も含めた適応の視点から自我を捉え、心的葛藤を調整する防衛的自我(defensive ego)と、知覚、思考、学習など心的葛藤から独立し外界に自主的適応力を持つ自律的自我(autonomous ego)区別し、自我を精神諸機能を統合する中枢機関として明確に位置付けた。他方、ユングの分析心理学における自我は、自分の存在についての一般的認識と記憶データからなる資料の複合体で、意識の統合の中心として定義されている。

 

超自我(super-ego)

 精神分析学の概念で、良心あるいは道徳的禁止機能を果たす人間の精神構造の一部。S.フロイトは、人間の精神構造を超自我、自我、イドの3層からなるものと考え、それぞれに固有の働きを想定した。超自我は幼児期に両親との同一視やしつけなどを通してとりこまれた道徳律であって、快楽原則に従う本能的欲動を検閲し抑圧する。意識的な場合もあるが、多くは無意識的で後悔や罪責感といった感情をもたらす。

 


提唱者

 S,フロイト

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