2012年12月8日土曜日

内田=クレペリン(精神作業)検査 Uchida-Kraepelin Performance Test


 
概略
 

ドイツの精神医学者クレペリン(Kraepelin,E.)によって発案され、内田勇三郎が発展させた人格検査。被験者に、一列に並んだ数値を連続加算する作業を繰り返させ、それによって得られる作業速度の変化を示す曲線(作業曲線)を評価する。作業曲線に性格が反映するとしたのはクレペリンの発想であるが、検査の具体的な手続きの開発は内田による。作業効率の安定性、誤答率、開始時や終了直前にみられる作業率の変化、休憩の影響などが評価のポイントである。

方法は、まず、被験者に行列状に数字が並んでいる用紙が渡される。1行目の左端から順番に並んでいる数字の足し算を繰り返し、1分経ったところで次の行に移り2行目の左端から同じように足し算を繰り返す。以下同様に、号令にあわせて1分ごとに行を変え各行の左端から計算していく、という作業を前半15(15)、休憩を5分間挟んで後半15(15)繰り返す。用紙にはこの結果15行の回答数字群が並ぶ。作業の終了後、各行回答数字群の最後に計算された数字を前半・後半それぞれ15個ずつ線で結ぶ。それぞれの行の作業出来高にはばらつきがあるので、結ぶと曲線が得られる。これの形からその人の様々な特性を分析する。定型曲線からのズレの程度との組み合わせによる曲線類型判定と、個別の特徴を分析する個別診断的判定を行う。
 

 

提唱者

 Kraepelin,E.(ドイツの医学者、精神科医)

 内田勇三郎

特徴

 ・検査方法が簡単で、誰にでも実施可能

・何を測定しているのか被験者にはわからず、検査結果の作為や反応歪曲の心配が軽減される

・受験者の文化的背景や経歴による制約を受けない

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