2012年12月16日日曜日

エクスポージャー 暴露法;exposure 


 

 広義では、不安などの不適応反応を惹起する刺激に患者が身をさらすことであり、系統的脱感作法フラッティングなどの治療法の構成要素としての意味で用いられる。狭義では、慣れ、あるいは消去による恐怖反応の減少を目的として、恐怖反応が生じなくなるまで不安惹起刺激に患者が長時間身をさらす治療法のことを指す。後者の場合、フラッティングとほぼ同義であるが、ハイアラーキー(不安段階表)を用いて段階的に恐怖場面に直面させる段階的エクスポージャー法をさして単にエクスポージャー法と呼ぶことが多く、最初から最強の恐怖場面に直面させるのをフラッティングということが多い。不安障害の治療法として系統的脱感作法やフラッティングにかわって今日よく用いられる。


 エクスポージャー法では、「過去のトラウマ」を「現在の体験」として仮想的に言語化し、トラウマ状況を知覚的・認知的・感情的に思い出してイメージ化・言語化する。そのため、クライエントに強い不安や恐怖が伴うため、クライエントの感じている恐怖や苦痛が急激に高まり精神的な混乱やパニック発作が起きた時には、エクスポージャー法を中止して思考中止法とリラクセーション技法を用いてクライエントの精神状態を鎮静し安定させる。
クライエントへの十分なインフォームド・コンセントを行って心理状態を確認しながらエクスポージャーを実施することが必要だが、クライエントの精神状態が不安定な時やストレス耐性が極端に低くなっている時には行動療法は実施すべきではない。

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