2013年1月24日木曜日

投影法 projective technique



概略

 被験者に比較的自由度が高く正誤や優劣の評価を下せない課題の遂行を求め、その結果からパーソナリティを測定する性格検査の一つのカテゴリー。
曖昧な刺激図版や言語刺激を提示し、それに対し被験者に自由に連想・想像をさせ、それを回答させることにより、被験者の無意識の中にある個性や性格特徴を測定する。
このような連想や想像のなかに、被験者独自の個性がスクリーンのように映し出されるとの前提のもとに作成され活用されている。
投影法の長所は質問紙法とは異なり、ふさわしい回答というものが分かりにくいため、回答者が意図的に結果を操作することが難しいことや、無意識レベルの個性を測定することが可能である点があげられる。
一方短所は、テストの施行、整理する手間が複雑で、適切な判定をするためには十分な訓練と深い洞察力、そして知識が必要とされる。また、検査者によって解釈が異なる事が多いため、信頼性があまり高まらないという欠点もある。
さらに、反応が特定の性格傾向の反映であるとする根拠が薄いものが多いという行動理論的な立場からの批判もある。


定義

 あいまいで非構造的な刺激を提示し、その反応を分析し解釈する方法


特徴

 長所
  ・被験者が自由に反応できる
  ・反応の意図的歪曲が起こりにくい
  ・単なる査定のみならず、治療的な役割を果たすものもある

 短所
  ・解釈が主観的になりやすい
  ・理論的根拠が曖昧で信頼性が高まらない


種類 例

 ロールシャッハ・テスト rorschach test
  インクのしみによって作られた無意味図形に対する反応から被験者の表面化していない欲求や葛藤を明らかにしようとする

 主題統覚検査 thematic apperception test ; TAT
  図版を提示して、そこから想像した物語をかたらせることで被験者の願望や葛藤を明らかにしようとする

 文章完成法 sentence completion test ; SCT
  「私は…」などの冒頭のみ示された未完成の文章を提示し、最初に頭に浮かんだ続きを書く

 絵画欲求不満テスト P-Fスタディ picture-frustration study
  欲求不満場面に対する反応のタイプから、自我防衛水準での被験者のパーソナリティを明らかにする

 ソンディテスト szondi test
  48枚の顔写真の刺激図版に対する好悪評定を行わせ、その結果からパーソナリティ傾向を把握する

 描画法
 

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