2013年1月9日水曜日

元型 archetype

 

概略

ユング(Jung,C.G.)の概念で、集合的無意識の内容。
心の奥底にある普遍的イメージやパターンのことで,さまざまなイメージを生産し,そのイメージが個人の心を左右する。
宗教や神話、そして幻覚や妄想といった精神的体験のなかに時代や文化をこえた普遍的なイメージが認められることから、ユングは人間の精神世界の中に祖先から受け継いだものがあるとして元型を考えた。
ユング心理学において,元型は中核となる概念のひとつであるため,元型心理学とも呼ばれる。
イメージ療法、夢、自由連想、白昼夢、精神症状などに反映される。



定義
 ユングの仮定した集合的無意識の内容で、人類に共通する心の奥底にある普遍的イメージやパターン。



集合的無意識普遍的無意識collective unconscious

ユング(Jung,Carl Gustav)による概念で、人類に共通でより深い人格層にある無意識のこと。
ユングは、人間は精神(プシケ)を構成部分内容力動的力相互関係という4側面から捉えているが、集合的無意識は構成部分の一つである。
分析心理学においては、S.フロイト構造論の中の1つである無意識をさらに個人的無意識集合的無意識に分けた。
前者は、抑圧された個人的な内容を持つ無意識であり、
後者は人類に共通でより深い人格層ある無意識である。
すべての人が保持・共有している記憶,本能,経験を保持している無意識の一部分で、客体的なこころ,人種的記憶,人種的無意識ともいう。



元型イメージの代表例


自己(セルフ self)
 究極の目的としての自分。円のイメージであらわれる。天使の輪など。


影(シャドウ shadow)
 自分の認めたくない面を他人に投影させたもの。
 見知らぬ不気味な人としてあらわれる。


太母(グレートマザー great mother)
 すべてを生み出すものとしての母。慈悲深い面と恐ろしい面をあわせ持つ。


老賢者(オールドワイズマン old wise man)
 若いときにあらわれるもの。
 智恵を持ち,自分を導いてくれる老人としてあらわれる。


アニマ(anima)
 男性の中の女性像。
 母親から生まれたイメージを出発点とし,成長に応じて発展していく。


アニムス(animus)
 女性の中の男性像。
 父親から生まれたイメージを出発点とし,成長に応じて発展していく。

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