2013年1月13日日曜日

プライミング priming


概略



 先行刺激(プライム刺激)が提示されると後続刺激(標的刺激)の処理に無意識的に促進効果を及ぼすこと。
条件によっては、抑制効果を及ぼすこともあるが、この場合のプライミングを、ネガティブ・プライミング(negaive priming)と言うことがある。
プライミングには、直接プライミング(direct priming)と間接プライミング(indirect priming)があり、直接プライミングは、さらに知覚的プライミング(perceptual priming)と概念的プライミング(conceptual priming)に分けられる。
 反応を促進するプライミングは促進的プライミングとよばれ、反応を抑制するプライミングは抑制的プライミングとよばれる。



定義
プライミング
 先行刺激の受容が後続刺激の処理に無意識的に促進効果を及ぼすこと
   直接プライミング(反復プライミング:repetition priming)
    先行刺激(プライム刺激)と後続の刺激(ターゲット刺激)が同じ場合。
    先行刺激が後続刺激としても繰り返し呈示されたり、
    先行刺激が後続刺激の反応として繰り返し出現する場合のプライミング
      知覚的プライミング プライム刺激とターゲット刺激が知覚的に同じ
      概念的プライミング 概念的に類似している

   間接プライミング
    先行刺激が後続刺激の認知閾に促進的影響を与える
    

 
プライム
 先に見聞きする、先行する刺激・事柄

ターゲット
 プライムの影響を受ける後続の事柄


 
  


 知覚的プライミングの実験では、プライム刺激(先行刺激)としていくつかの単語(例:だいどころ)を呈示し、一定時間後、単語完成テスト(例:だい□□ろ)を行うと、呈示した単語についての単語完成テスト項目は、呈示されなかった単語完成テスト項目より正答率が高い。
すなわち先行刺激が後続のテストに促進効果を持ったのである。

 概念的プライミングの実験では、たとえばプライムを刺激としていくつかの単語(例:だいどころ)を呈示し、一定時間後、自由連想テスト(例:料理→○○)を行う。すると呈示された単語の方が呈示されなかった単語よりも、連想語として出現しやすい。

知覚的プライミングはプライム刺激の知覚的要素が、概念的プライミングはプライム刺激の概念的要素が、プライミングを起こしていると考えられる。

 間接プライミングの実験では、プライム刺激(例:だいどころ)を呈示しその認知閾を測定し、次にテスト刺激(例:たべもの)のそれを測定すると、両刺激間に連想関係がある場合には、ない場合と比べ、テスト刺激の認知閾が低下する。これは、プライム刺激の認知がテスト刺激の認知を促進したのである。



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