2013年2月1日金曜日
自己効力感 self-efficacy
概略
バンデューラ(Bandura, Albert)によって提唱された概念で、自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信のこと。
ある行動がどのような結果を生み出すのかという 結果予期(Outcome expectancy)と、ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことが出来るのかという効力予期(efficacy expectancy)の2つに区分される。
自己効力感を発達的視点から捉えることも重要であり、子どもの自己認知の発達水準や、その時の親や教師などとの関わりに応じて、自己効力感の様相は異なってくる。
また、自己効力感の高い子供は、自分が努力すれば環境や自分自身に好ましい変化を生じさせようという見通し信念の下で、生き生きと周りの環境に働きかけ、充実した生活を送ることが出来る。
定義
自分の遂行能力や学習能力にかかわる自信や信念のこと
提唱者
バンデューラ (Bandura,Albert)
カナダの心理学者
自己効力感の起源
①達成体験
最も重要な要因で熟達の経験。成功は個人的な効力感の確固とした信念を作りあげ、失敗経験は特に効力感が確立されていない場合には効力感を低めてしまう。
②代理経験
社会的なモデリング(他者の何かの達成や成功を観察すること)。モデルはコンピテンスと動機づけの期限として役立つ。自分に似た他人が持続的な努力で成功するのを見れば、自分自身の可能性についての確信を強めることになる。
③言語的説得
社会的な説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)による影響。自己効力感を持った行為について、それが認められ励ましを受ければ、より努力をするようになり、それが成功の機会を高める。
④生理的情緒的高揚
たとえば酒、薬物、その他の要因によって気分が高揚するというように、自分の生理的な状態にも部分的にではあるが依存している。生理的な過剰反応を減らしたり、自分の生理的な状態の解釈の仕方を変えることで自己効力感を強める。
⑤想像的体験
自己や他者の成功経験を想像すること
自己効力感の3タイプ
・自己統制的自己効力感
・社会的自己効力感
・学業的自己効力感
自己効力感が統制する人間の行動の仕方
①認知的側面
自分の能力がどれだけあるか、自分の目標を設定する仕方を決定する。
②動機づけ的側面
その後の結果を予測し、目標の設定を決定する。
自己効力感が達成の努力や肯定的な生き方の必要条件になっている。
③情動的側面
自己効力感は個人的な情動経験の性質や強度、不安や自己統制のあり方を決定する。
④選択的側面
自己効力感のもてる領域を選んで、そこで挑戦的な生き方をとろうとする。
自己効力感の構成
自己効力感は大きさ(magnitude)強さ(strength)一般性(generality)の三次元で構成されている。
・大きさ
どの程度の難しさの課題まで遂行可能であるかの期待の次元
・強さ
ある課題での行動をどの程度の強さで遂行可能であるかの期待の次元
・一般性
特定の課題に対する自己効力感と特定の課題を求めない一般的場面での自己効力感を結ぶ次元
コンピテンス competence
言語心理学や認知心理学の分野では、実際の行動や成績(パフォーマンス)に対して、潜在的能力を意味することが多い。たとえば、チョムスキーは、外部に反応として現れる元号運用と区別して、運用者の内部の根底にある言語能力をコンピテンスと呼んだ。
発達心理学において使用される場合、人にすでに備わっている潜在的能力と、環境に能動的に働きかえて自らの「有能さ」を追求しようとする動機付けを一体としてとらええる力動的な概念を指す。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿