2013年2月27日水曜日
ゲシュタルト / ゲシュタルト心理学 Gestalt / gestalt psychology
概略
ゲシュタルトとは、形態や姿を意味する言葉であるが、ゲシュタルト心理学においては、要素に還元できない、まとまりのある一つの全体がもつ構造特性を意味する。
知覚の全体性や場の理論を重視する立場である。
ウェルトハイマーを創始者としてドイツで誕生し、ヴントに代表される要素主義の考え方を否定した。
ウェルトハイマーは仮現運動の実験を通してゲシュタルトの考えを実証し、視野の中で対象が分離し、それらがまとまって群を作る体制化の過程、および分離や群化が簡潔・単純な方向に向かって起こるというプレグナンツの傾向が秩序ある知覚世界を成立せしめていることを図形例を用いて説いた。
ゲシュタルトの概念は知覚のみならず、記憶、思考、要求と行動、集団特性等、広く心的過程一般に適用された。
定義
要素に還元できない、一つの全体が持つ構造特性であるゲシュタルトの概念を媒介とした、物心一元論的現象学的心理学
代表人物
ウェルトハイマー Wertheimer,M.
ゲシュタルト心理学の創始者。
仮現運動の実験結果から、ゲシュタルトの考えを実証した。
さらに、視野の中で図と地が分化し、さらに図がまとまって群をつくる体制化の過程、およびそれらが簡潔・単純な方向に向かって起こるというプレグナンツの傾向が、秩序ある知覚世界を成立させていることを図形例を用いて説いた。
ケーラー Köhler,W.
ゲシュタルト心理学の中心人物の一人。
物理学の場理論に精通しており、ゲシュタルト性が心的現象ばかりでなく物理的世界にも存在し、
広い意味での物理法則が支配する中枢神経系と現象世界の間には対応関係が成立するはずであるとする心理物理同型説を展開し(1920)、後年、図形残効などの研究によってそれを支持する証拠を追及した。
コフカ Koffka,K.
ゲシュタルト心理学の中心人物の一人。
『知覚―ゲシュタルト心理学序論』(1922) …ゲシュタルト理論を初めて紹介した論文
『ゲシュタルト心理学の原理』(1935)…理論の体系化を目指した大著
⇒心理学を行動の科学とすること、心理物理同型説の立場をとるとはいえ、
生理的対応過程の追求よりも現象ないし行動の世界の分析を重視するとした。
その際、行動を刺激への反応の集合としてではなく、部分の変化が他のすべての部分に
影響を与えるような力学的系としての場に依存して生じると考える。
レヴィン Lewin,K
物理的な環境とはなかば独立した心理学的な存在である生活空間の概念を用いて行動を理解しようとし、トポロジー心理学と呼ばれる力学的な理論を提起した。
場理論、グループ・ダイナミックスの研究などが代表。
key words
ゲシュタルト gestalt
ドイツ語を語源とし、形態と訳される。
体制化された構造(organized structure)、要素に還元できない、一つの全体が持つ構造特性であり、集合体(aggregate)やたんなる総和(summation)とは区別されるものをいう。
体制化の結果を記述するのに用いられるだけでなく、過程そのものの構造的な特性をも示している。
プレグナンツの傾向 Prägnanztendenz
一般的にはプレグナンツの法則または原理と呼ばれる。
ウェルトハイマーが指摘した、体制化が簡潔・単純な方向に向かって起こる傾向をいう。
視野は全体として最も簡潔な、最も秩序あるまとまりをなそうとする傾向がある。
しかし簡潔でよい形(gute Gestalt)のまとまりとは必ずしも規則的や相称的を意味するものではなく、「知覚の体制化における単純で統一的な結果を実現させる傾向」を意味する。
仮現運動 apparent movement
物理的運動が存在しないにもかかわらず知覚される見かけの運動。
狭義には対象A、Bを適切な時間間隔をおいて、異なる地点に交互に呈示するとき知覚される対象の運動。
映画や踏切の警報器などで観察される。
要素主義 elementalism
心の世界を究極の構成要素に分解してその結合の法則を明らかにしようとする立場。
人間の心理現象は要素の総和によるものであり、視覚・聴覚などの刺激には、個々にその感覚や認識などが対応しているという考え。
ゲシュタルト心理学以前のすべての実験心理学がなんらかの意味で要素主義を暗黙の前提にしている。
意識心理学以外でも、パヴロフの条件反射学や行動主義の刺激反応学説(S-R説)など近代心理学の多くがこの立場である。
2013年2月1日金曜日
自己効力感 self-efficacy
概略
バンデューラ(Bandura, Albert)によって提唱された概念で、自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信のこと。
ある行動がどのような結果を生み出すのかという 結果予期(Outcome expectancy)と、ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことが出来るのかという効力予期(efficacy expectancy)の2つに区分される。
自己効力感を発達的視点から捉えることも重要であり、子どもの自己認知の発達水準や、その時の親や教師などとの関わりに応じて、自己効力感の様相は異なってくる。
また、自己効力感の高い子供は、自分が努力すれば環境や自分自身に好ましい変化を生じさせようという見通し信念の下で、生き生きと周りの環境に働きかけ、充実した生活を送ることが出来る。
定義
自分の遂行能力や学習能力にかかわる自信や信念のこと
提唱者
バンデューラ (Bandura,Albert)
カナダの心理学者
自己効力感の起源
①達成体験
最も重要な要因で熟達の経験。成功は個人的な効力感の確固とした信念を作りあげ、失敗経験は特に効力感が確立されていない場合には効力感を低めてしまう。
②代理経験
社会的なモデリング(他者の何かの達成や成功を観察すること)。モデルはコンピテンスと動機づけの期限として役立つ。自分に似た他人が持続的な努力で成功するのを見れば、自分自身の可能性についての確信を強めることになる。
③言語的説得
社会的な説得(自分に能力があることを言語的に説明されること、言語的な励まし)による影響。自己効力感を持った行為について、それが認められ励ましを受ければ、より努力をするようになり、それが成功の機会を高める。
④生理的情緒的高揚
たとえば酒、薬物、その他の要因によって気分が高揚するというように、自分の生理的な状態にも部分的にではあるが依存している。生理的な過剰反応を減らしたり、自分の生理的な状態の解釈の仕方を変えることで自己効力感を強める。
⑤想像的体験
自己や他者の成功経験を想像すること
自己効力感の3タイプ
・自己統制的自己効力感
・社会的自己効力感
・学業的自己効力感
自己効力感が統制する人間の行動の仕方
①認知的側面
自分の能力がどれだけあるか、自分の目標を設定する仕方を決定する。
②動機づけ的側面
その後の結果を予測し、目標の設定を決定する。
自己効力感が達成の努力や肯定的な生き方の必要条件になっている。
③情動的側面
自己効力感は個人的な情動経験の性質や強度、不安や自己統制のあり方を決定する。
④選択的側面
自己効力感のもてる領域を選んで、そこで挑戦的な生き方をとろうとする。
自己効力感の構成
自己効力感は大きさ(magnitude)強さ(strength)一般性(generality)の三次元で構成されている。
・大きさ
どの程度の難しさの課題まで遂行可能であるかの期待の次元
・強さ
ある課題での行動をどの程度の強さで遂行可能であるかの期待の次元
・一般性
特定の課題に対する自己効力感と特定の課題を求めない一般的場面での自己効力感を結ぶ次元
コンピテンス competence
言語心理学や認知心理学の分野では、実際の行動や成績(パフォーマンス)に対して、潜在的能力を意味することが多い。たとえば、チョムスキーは、外部に反応として現れる元号運用と区別して、運用者の内部の根底にある言語能力をコンピテンスと呼んだ。
発達心理学において使用される場合、人にすでに備わっている潜在的能力と、環境に能動的に働きかえて自らの「有能さ」を追求しようとする動機付けを一体としてとらええる力動的な概念を指す。
2013年1月13日日曜日
プライミング priming
概略
先行刺激(プライム刺激)が提示されると後続刺激(標的刺激)の処理に無意識的に促進効果を及ぼすこと。
条件によっては、抑制効果を及ぼすこともあるが、この場合のプライミングを、ネガティブ・プライミング(negaive priming)と言うことがある。
プライミングには、直接プライミング(direct priming)と間接プライミング(indirect priming)があり、直接プライミングは、さらに知覚的プライミング(perceptual priming)と概念的プライミング(conceptual priming)に分けられる。
反応を促進するプライミングは促進的プライミングとよばれ、反応を抑制するプライミングは抑制的プライミングとよばれる。
定義
プライミング
先行刺激の受容が後続刺激の処理に無意識的に促進効果を及ぼすこと
直接プライミング(反復プライミング:repetition priming)
先行刺激(プライム刺激)と後続の刺激(ターゲット刺激)が同じ場合。
先行刺激が後続刺激としても繰り返し呈示されたり、
先行刺激が後続刺激の反応として繰り返し出現する場合のプライミング
知覚的プライミング プライム刺激とターゲット刺激が知覚的に同じ
概念的プライミング 概念的に類似している
間接プライミング
先行刺激が後続刺激の認知閾に促進的影響を与える
プライム
先に見聞きする、先行する刺激・事柄
ターゲット
プライムの影響を受ける後続の事柄
例
知覚的プライミングの実験では、プライム刺激(先行刺激)としていくつかの単語(例:だいどころ)を呈示し、一定時間後、単語完成テスト(例:だい□□ろ)を行うと、呈示した単語についての単語完成テスト項目は、呈示されなかった単語完成テスト項目より正答率が高い。
すなわち先行刺激が後続のテストに促進効果を持ったのである。
概念的プライミングの実験では、たとえばプライムを刺激としていくつかの単語(例:だいどころ)を呈示し、一定時間後、自由連想テスト(例:料理→○○)を行う。すると呈示された単語の方が呈示されなかった単語よりも、連想語として出現しやすい。
知覚的プライミングはプライム刺激の知覚的要素が、概念的プライミングはプライム刺激の概念的要素が、プライミングを起こしていると考えられる。
間接プライミングの実験では、プライム刺激(例:だいどころ)を呈示しその認知閾を測定し、次にテスト刺激(例:たべもの)のそれを測定すると、両刺激間に連想関係がある場合には、ない場合と比べ、テスト刺激の認知閾が低下する。これは、プライム刺激の認知がテスト刺激の認知を促進したのである。
2013年1月4日金曜日
仮現運動 apparent motion
概略
客観的には静止している対象が特定の位置または時間間隔で出現・消失を繰り返すとき,その対象が運動しているかのように知覚されることがある。広義には、物理的運動が存在しないにもかかわらず知覚される見かけの運動をいう。狭義では、対象A、Bを適切な時間感覚をおいて、異なる地点に交互に呈示するとき知覚される対象の運動を言う。視覚以外にも聴覚,触覚などでも認められている。
日常場面において見られる例として、映画や踏切の警報機彼があげられ、これはβ運動と呼ばれている。
ゲシュタルト心理学者のウェルトハイマー(Wertheimer,M.)は、この現象を構成主義心理学の要素論的見解に反論するものとしてとらえ、仮現運動の成立要因を初めて実験的に研究した。
このとき刺激の呈示間隔時間が約30ミリ秒以下のとき、2光点の同時点滅が知覚される(同時時相)。
また、呈示する時間間隔が約60ミリ秒のとき、実際運動の知覚と変わらない、滑らかで明らかな運動が知覚される(最適時相)。これを特にφ(ファイ)現象という。
約200ミリ秒以上では、2光点の継続的な点滅が知覚され、運動は知覚されない(刑事時相)。
仮現運動にはこの他に,例えばミュラー=リヤー図形の主線の両端の矢羽の外向きと内向きを交互に呈示すると,主線が伸縮して見えるα運動や,ひとつの静止した光点の輝度の強弱を急激に変化させると,強度を上げるときには光点が膨張し,強度を下げるときには収縮して見えるなどがある。
日常場面において見られる例として、映画や踏切の警報機彼があげられ、これはβ運動と呼ばれている。
ゲシュタルト心理学者のウェルトハイマー(Wertheimer,M.)は、この現象を構成主義心理学の要素論的見解に反論するものとしてとらえ、仮現運動の成立要因を初めて実験的に研究した。
このとき刺激の呈示間隔時間が約30ミリ秒以下のとき、2光点の同時点滅が知覚される(同時時相)。
また、呈示する時間間隔が約60ミリ秒のとき、実際運動の知覚と変わらない、滑らかで明らかな運動が知覚される(最適時相)。これを特にφ(ファイ)現象という。
約200ミリ秒以上では、2光点の継続的な点滅が知覚され、運動は知覚されない(刑事時相)。
仮現運動にはこの他に,例えばミュラー=リヤー図形の主線の両端の矢羽の外向きと内向きを交互に呈示すると,主線が伸縮して見えるα運動や,ひとつの静止した光点の輝度の強弱を急激に変化させると,強度を上げるときには光点が膨張し,強度を下げるときには収縮して見えるなどがある。
定義
広義
物理的運動が存在しないにもかかわらず知覚される見かけの運動
狭義
対象A、Bを適切な時間感覚をおいて、異なる地点に交互に呈示するとき知覚される対象の運動
・映画やテレビのように、網膜に投影された画像の位置変化が生み出す運動印象。
・実際には動いていないのに、運動を感じること。特に数cm離れた二つの視覚刺激を交互に一定の速度で出現させたり、示したりするときに生じる一連の錯視のこと。
研究者
ドイツの心理学者 ウェルトハイマー(Wertheimer,M.)
ドイツの心理学者 ウェルトハイマー(Wertheimer,M.)
日常例
映画やアニメ (コマ送りの連続)
踏切の警報機
電光掲示板 (複数の光点が点滅することによって、表示された文字などが動いて見える)
2012年12月19日水曜日
マスキング(遮蔽効果) masking
概略
感覚の相互作用現象の一つで、二つの効果の掻き消し効果、遮音効果ともいわれる。強い刺激があると弱い刺激の存在が感じられなくなる現象。嗅覚、味覚のみならず、視覚、聴覚領域でも重要な現象である。マスクする音(マスカー:masker)に対してマスクされる音(マスキー:maskee)の振動数が高いほうが、低い振動数の音よりもマスクされやすい。マスキング効果は、基底膜の振動様式や聴覚神経での抑制効果によるものである。
ex)
聴覚:静かな時に聞こえる音楽は、騒音の中だと聞こえなくなる
嗅覚:嫌な臭いは香水などで消す
味覚:嫌なにおい・色をした食べ物は食欲をなくす
聴覚マスキング
ある音に対する最少可聴値(音の強度に対する刺激閾)がほかの音の存在によって上昇する現象(JIS Z 8109)。すなわち、ある音がほかの音の存在によって、聞こえなくなる現象。A音がB音をマスクする場合、B音は聞こえにくくなり、B音はきこえにくくなり、閾値が上昇したのかを測ればマスキングの大きさはわかる。B音が単独で与えられたときの音圧レベルの値をI0とし、A音を同時に鳴らした時のB音の音圧レベルの値をImとすると、この上昇分がマスキングの大きさである。すなわち、マスキング量(MdB)は、M=Im-Ioで表される。
種類
部分マスキング
音は聞こえるがその大きさが小さくなる
音は聞こえるがその大きさが小さくなる
同時マスキング
マスクする音とマスクされる音が同時に提示される。最もマスキング量が大きい。
マスクする音とマスクされる音が同時に提示される。最もマスキング量が大きい。
継時マスキング
二つの音が継時的に与えられて生じるマスキング
二つの音が継時的に与えられて生じるマスキング
順向マスキング
マスクする音A→マスクされる音Bの順に提示するマスキング。マスクする音とマスクされる音の間に20~40㎳以内の時間間隔が生じる
マスクする音A→マスクされる音Bの順に提示するマスキング。マスクする音とマスクされる音の間に20~40㎳以内の時間間隔が生じる
逆向マスキング
マスクされる音B→マスクする音Aの順に提示するマスキング。マスクする音とマスクされる音の間に140~340㎳以内で時間間隔が生じる。時間間隔が同じであれば、順向マスキングより逆向マスキングのほうがマスキング量が多い。
マスクされる音B→マスクする音Aの順に提示するマスキング。マスクする音とマスクされる音の間に140~340㎳以内で時間間隔が生じる。時間間隔が同じであれば、順向マスキングより逆向マスキングのほうがマスキング量が多い。
認知マスキング
ほかの音などの提示によって音の認知が妨害されること。音が提示されると知覚的な表象が作られ、それに基づいてどのような音であるかについての認知が行われるが、後続音が提示されてしまうと先行音の知覚表象が妨げられて、認知がよくできなってしまうためではないかと考えられている。
ほかの音などの提示によって音の認知が妨害されること。音が提示されると知覚的な表象が作られ、それに基づいてどのような音であるかについての認知が行われるが、後続音が提示されてしまうと先行音の知覚表象が妨げられて、認知がよくできなってしまうためではないかと考えられている。
両耳間マスキング(contaralatetal masking)
二つの音が左右の耳に別々に与えられた場合マスキングは同時マスキングより50dB程度低い。純音を雑音でマスクしたとき、純音の振動数を中心にした、ある狭い帯域に雑音が集中している。この帯域を臨界帯域という。同耳マスキングと比べて、マスキング量は50dB程度少ない。マスクする音が骨伝導によって反対側の耳に伝わり、そこで同耳マスキングを生じさせているといえる。
二つの音が左右の耳に別々に与えられた場合マスキングは同時マスキングより50dB程度低い。純音を雑音でマスクしたとき、純音の振動数を中心にした、ある狭い帯域に雑音が集中している。この帯域を臨界帯域という。同耳マスキングと比べて、マスキング量は50dB程度少ない。マスクする音が骨伝導によって反対側の耳に伝わり、そこで同耳マスキングを生じさせているといえる。
傾向
マスカーとマスキーの両方の周波数と強さをいろいろに変えてマスキング量を測定すると、次にあげるような一定の傾向がある。
①低周波数音は高周波数音をマスクしやすいが、高周波数音は低周波数音をマスクしやすい
②周波数の近い音ほどマスキング量は大きいが、あまり近いとうなりが生じてB音の存在が検知されやすくなるために、マスキング量はかえって減少する。同様のことは、B音の周波数がA音の倍音付近の場合にも生じる。
③A音の強さが増大するほどマスクされる範囲は広がり、マスキング量も増大するが、その割合は周波数によって異なる。
視覚マスキング
ある視覚像が別の視覚像を壊し得ることを示す。二つの異なる刺激を素早く継時的に提示して、被験者が何を知覚するかを調べる方法である。
Averbach
and coriell及びSperlingは、マスキング手続きを用いてアイコン貯蔵を調べた。フラッシュ光をマスク刺激として用い、被験者に文字刺激を短時間見せ、その文字刺激が消えた後すぐにフラッシュ光を提示した。そして見えた文字数を調べるという実験を行った。結果はマスク光がすぐ提示されるほど、報告できる文字数は少なかった。マスクが文字の近くに影響を及ぼしたと考えられる。
しかし、因果律によれば、ある事象は、それがほかの事象に先んじるか、あるいは同時に生起するときにのみほかの自称に影響を及ぼしえる、そして科学は因果律の上に成り立っている。よってマスクは先行する事象に逆行して影響を及ぼしているよう見えるだけであって、実際にそうではない。マスクはそれが生起したときに進行している過程影響するのである。たとえそれが文字の近くのような単純なものであっても、認知過程には時間がかかる、先の実験であれば、近く過程は短時間提示された刺激が消えた後にも侵攻しており、マスクはこの近く過程にかんしょうしたのである。
マスクが鑑賞しえるアイコン超像の過程は、少なくとも二段階ある。マスクはアイコンの形成を妨害しえるし、アイコンから文字を読みだす際の文字の道程も妨害しえる。
アイコン記憶:視覚的印象の「持続性」というものは、その刺激が終結してしまった後でさえ、それらの印象をしばらくの間、処理のために利用しうるようにさせるものである。
2012年12月18日火曜日
カクテルパーティ効果 cocktail-party effect
概略
パーティ会場などの騒がしい所でも、話し相手の話す内容を聞き取り、会話を続けられたり、人と話している時でも、別の所で自分の名前が呼ばれるとそれに気づいたりする。このような二つ以上の音源に対して、自分に関係のある一つの音源を選択的に聴取できる効果をいう。また、こうした知覚の選択制を注意の働き、選択的注意という。
日常的場面での実例。情報の選択は人間の情報処理過程のどの過程で生じるのか、早期選択説と後記選択説の二つがある。前者は注意を向けられていない情報に関しては、物理的・感覚的レベルまでしか処理がなされないと考える。両耳分離聴実験が裏付けとして用いられ、注意を向けていない方の音の物理的変化を、被験者はすぐに察知するが、その内容は理解していないことから、早期選択説を支持している。具体的システムとしてフィルター説と減衰説がある。一方、後記選択説は注意を向けていない対象に関しても、意味レベルまで処理は進んでおり、その上で選択されていると考える。これが冒頭の例の後者にあたり、それまで無視されてきた情報も意味的処理がされ、自分の名前と気づき、注意を向ける対象になり得た。現在では注意の選択は、複数の段階で起こりうるのではないかと考えられている。
定義:
二つ以上の音源に対して一つの音源のみを選択的に聴取できる効果。
聴覚的情報の選択処理、聴覚受容器に到達する刺激強度に特に差はないのにもかかわらずその中の特定の会話を選択できる。こうした知覚の選択制を注意の働きとし、選択的注意(selectiveattention)という。
具体例
パーティ会場などの騒がしいところでも、話し相手の話す内容を聞き取ることができ、会話を続けることができる。
大勢が話している場でも自分の名前が話題に上ると、自分の名前を聞き取ることができる。
知覚のシステム:
選択的注意のシステムを調べるためにCherry,E.C. (1953)に両耳分離聴の実験を行い、選択的注意の原理を明らかにした。それをもとに、ブロードベントのフィルター説、トレイスマンの減衰説などが提唱された。フィルター説や減衰説は、情報の取捨選択は情報の入力直後の段階に行われるとする早期選択(early selection)の立場をとる。これに対し、後期選択(late selection)の立場では、最も重要な入力情報が反応に影響を与えるという前提から意味的分析やパターン認知などの入力情報の内容分析が終了したあと、注意による情報の選択が行われると考える(Deutsch&Deutsch,1963)。脳の反応である事象関連電位を指標とした神経心理学的研究からは、注意を向けた刺激は注意を向けない刺激よりも、大きな反応を生じることを報告しており、この結果は初期選択説を支持している。ブロードベントの考えたフィルター説ではどれか1つの回路が選択されることにより、一度に1つのものしか通過できなかったが、トレイスマンの説では、同時に多くの情報が伝えられると、注意を向けていないものは減衰されられるがまったく通過できないわけではないから、もしそれが重要であれば時には発見され受け入れられるのである。したがって、注意の機構は初期の段階に存在すると考えられる。
フィルター説(Broadbent,1958)
処理機構の入り口付近に複数のフィルターが存在し、情報の内容によってではなく物理的特性によって、そのうちのあるフィルターだけが多選択されて聞かれ、そのフィルターを通過した情報のみが処理されると考えた。したがって、注意を向けていない対象に対しては何も知ることができないことになる。
減衰説(attenuator theory)(Treisman,1964):
注意を向けていない方の耳からの情報もある程度の処理がなされると考えた。たとえば、自分の名前などのように関心のる情報の場合には、たとえ減衰して伝えられてもある程度の分析が行われると説明した、ブロードベントの考えたフィルター説ではどれか1つの回路が選択されることにより、一度に1つのものしか通過できなかったが、トレイスマンの説では、同時に多くの情報が伝えられると、注意を向けていないものは減衰されられるがまったく通過できないわけではないから、もしそれが重要であれば時には発見され受け入れられるのである。したがって、注意の機構は初期の段階に存在すると考えられる。
選択的注意(selectiveattention)
多様な情報が渦巻くような環境条件下において、その個人にとって重要だと認識された情報を選択してそれに注意を向ける認知機能を指す概念。カクテルパーティ効果や両耳分離聴の実験によって明らかにされている。
両耳分離聴(dichoyic listening)
注意の研究でしばしば用いられる方法。カクテルパーティ効果を実験的に知り得るためにCherry,E.C. (1953 )により行われた実験。この方法では、左右の耳に別々の情報を等しい大きさで同時に提示する。チェリーは、左耳にA、右耳にBという言葉を提示し、被験者に追唱(shadowing)させた。被験者は比較的容易にこの課題を遂行できたが、このとき追従しなかった法の言葉はほとんど覚えてなかった。ただし、それが男声であったか女声であったかはということは覚えていた。しかし、英語からドイツ語に変わったことは気づかなかった。結果として、追唱を受けない、すなわち注意をむけられないチャンネルの情報は、英語か日本語かといった意味内容までは分析されず、男声か女声かというような物理的特徴の処理に留まる。この選択的注意の原理からトレイスマンは減衰説、ブロードベントは記憶のフィルターモデルを提唱した。これは記憶の流れに関するモデルで、感覚受容器(資格や聴覚など)が受け取った多様な情報が、感覚記憶から短期記憶の貯蔵庫あるいは長期記憶の貯蔵庫に移行する際に選択的注意が働き、需要度に応じてフィルターがかかり、そのフィルターを通過した情報だけが短期記憶や長期記憶として貯蔵されると説明される。
追唱(shadowing)
一方の耳の情報を繰り返し言わせる、被験者の注意を一方に偏らせるために用いる選択的注意の実験の代表的手段。
登録:
投稿 (Atom)